V entotene/ヴェントテーネ島 その2
   
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金曜日の午後にローマから約100km南下したチルチェオ港を出発。

昨年は5月末に行ったので海水浴にはちょっと早めでしたが、今回は6月も半ばなのでシーズン真っ只中。

チルチェオ港からヴェントテーネまでの距離は、30海洋マイルで6ノットで航海すれば約5時間で到着します。

今回は北東の19マイルほどの追い風だったので、そこそこのスピードで出発しました。

途中、風が少し弱くなったのでジェンナーカーを張り、平均6ノットを保って航海することができました。

  

                       チルチェオ港をあとに                操縦するジジをダーリンが横からコントロール

 

               ジェンナーカーをコントロールするエミリアーノ         追い風のグッドコンディション

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夜8時にヴェントテーネ港入りしましたが、金曜日だったので港はがらがら。

ヨットを防波堤に横付けして、新鮮なお魚を食べに町の中心地繰り出しました。

港にあるレストランは、取れたてのお魚を炭火で焼いて出してくれますが、

この日はカジキマグロがど〜んと置かれていました。2mくらいはありそうです。

くちばし(?)の部分を触ってみたらすごい硬さでした。

 

                     2mはあるカジキマグロ(左)                 好みの魚をグリルしてもらえます

 

                海辺にあるロマンチックなレストラン          レストランで食事中お魚をねだりにきた島の猫

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ヴェントテーネ島は900mx3kmの小さな島で、住人は500人(夏場は5倍くらいの人口になります)。

パステルカラーの水彩画のような家が立ち並び、今までにも多くの映画の舞台となっています。

 

                          カステッロ広場                  ローマ時代に作られた港、ポルト・ロマーノ

   

       広場の中心に立つ記念碑      焼きたてが買えるパン屋さん    ちょっと変わった入り口の家        広場の時計台

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港から1マイルの距離に刑務所として使われていたサント・ステファノ島があります。

前回は島へは上陸しませんでしたが、今回はヨットを島の近くへ停泊し、ゴムボートで島に上陸しました。

迎えてくれたのは飛行練習中のカモメの赤ちゃん。

 

             サント・ステファノ島をヴェントテーネから見たところ               カモメちゃんがお出迎え

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エニシダや野生の植物の咲き乱れる石畳の上り坂を登りつめると、

まず目にするのが刑務所で使われる電力を供給していた発電所です。

1965年に刑務所が閉鎖されてから、そのまま長期間放置されたので、機器は錆付き、

エンジンなどは持ち去られていました。  

  

                 エニシダが満開でした                          (元)エンジンルーム                          

ここはガイドツアーに参加しないと中に入れないのですが、たまたま居合わせた管理人のおじさんが

中へ入れてくれました。彼は18歳のときからこの島に住み、刑務所の監視員をしていたそうで、

普通のツアーでは話してもらえないような、貴重な体験などを聞くことができました。

 

                     一番右がガイドのおじさん                         刑務所内

この刑務所は1700年代にボルボーネ王によって建てられたもので、政治犯、

終身刑など極悪犯が収容されていました。

現在でもその建築様式、機能性は近代的で、円形に配置された350個の牢を中央の塔から

1人で監視することができるようになっています(実際は背後を守るため3人で監視されていたそうです)。

現在は完全に無人島です。

内部は一部が崩れ始め早急な修理が必要とされています。

一部はヨーロッパからの資金で修復されましたが、経済的な理由でほとんどが今でも手付かずのまま放置されています。

囚人たちは、一日中、自分の職業や得意とする作業を行いその仕事に対して1日約600リラ(40年前)が

支払われており、1日100リラのみ使用することができたそうです。

100リラで食べたいもの(肉、魚など)を注文することができ、これも囚人である料理人が料理をしてくれたそうです。

牢は3階建てになっていますが、窓は直接中庭に面していて外の様子を見ることができるため、

あまり牢に閉じ込められているという圧迫感はありません。

独房の内部は個人が自由に塗り替えることができ(写真を貼ることは禁止されていた)、

元画家であった囚人の房の内部はセンス良くデコレーションされていました。

1日中、外の空気を吸うことができ、働いたあとは時として好きなものを注文して食べることができるという

かなり自由の利く刑務所で、一部の囚人はこのような環境で生活できたことを

「褒美を与えられたようだ」と言ったそうです。

  

               独房の扉               画家の牢の中(デザインがかわいい)           一部は崩れ始めています

 

                           刑務所管理者用のバール           チャペル(床に十字架が書かれています)

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島の反対側の崖を降りていくと、古代ローマ時代に作られたプールへ行くことができます。

ティベリオ王の娘、ジュリアは淫乱癖があり人目をしのぐために、ヴェントテーネ島へ邸宅を建てて

娘をここへ送り出しました。そのジュリアのために作られたプールは、海の水面より少し低い位置に作られ、

海水が随時循環するようなシステムになっています。

エスメラルド色の海を見ながら、この古代のプールへ浸かって暑さをしのぐなんて、最高の贅沢です!

 

古代ローマ時代に作られたプールを上から見たところと近づいたところ

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島のどこからも、はすばらしい風景を望むことができます。

この時期は色々な植物が開花しており、その香りでむせ返るようでした。

 

             後ろにうっすらイスキア島が見えます(わかるかな?)          ヴェントテーネ島を見た見たころ

 

  

                        サルノコシカケ(?)                         チョウセンアザミ

 

                    アガーベの花3-4mくらいの高さがあります              エニシダ

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海水はちょっと冷たかったけれど、泳いでいるうちに慣れてしまいます。

スノーケリングでたくさんのお魚を見ました(ちなみに、この島はスキューバダイビングでも有名です)。

ランチタイムになると、カモメたちがヨットの近くへ寄ってきます。

ザブ〜ン、ダーリンの逆飛び込み(?)

 

食べ物を目当てに寄ってくるカモメたち

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イタリアは今が一番日の長い時期で、夜9時ころになってもこの明るさです。

夜9時過ぎに撮ってもこんな感じ、軍艦の形をした岩のある、カラ・ナーヴェ

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ヴェントテーネには沢山の猫たちが徘徊しています。

お土産はねこTシャツ!

 

                                                           さて 一体何匹いるでしょう?                                 おみやげ

日曜日の午後1時にヴェントテーネ島を出発。微風のため、しばらくエンジンで航海した後、

風が強くなったので帆を張って2時間ほどセイリングを楽しむことができました。

6時ぴったりにチルチェオ港に入港。ウィークエンドはどうしてこん何早く時間が過ぎてしまうのでしょう??